今回レビューをお届けする OLIGHT R50 SEEKER の光源には XHP50 が搭載されていますが、これを3.7VのLi-ion充電池1本で駆動させています。
ん?だからナニ…って?
現行のCREE XHPファミリーは、XHP70・50・35の3モデルが存在するようですが、どのモデルもVfが6Vか12VとなるハイパワーLEDになります。
なので、電圧が3.7VのLi-ion充電池を電源とするならば 3.7V → 6V へ昇圧する必要が出て来ますが、ご存知の通り昇圧時には降圧時よりも電力ロスが大きく、いかに効率良く昇圧し無駄に消費される電力を抑えるか?…が、重要になって来ます。
※3.7V→12V昇圧は更に効率面で不利となるのでR50は6V昇圧だと思います・・・が、未確認です。
今回も amazon Olight® Direct JP さんから R50 SEEKER の実機を提供して頂いたのですが、R50 SEEKER には最初から18650より太い26650(4500mAh)規格の電池が付属しています。(※リアキャップを少し緩めた状態で出荷されます)
26650電池(直径:26mm/長さ:65mm)は、18650(直径:18mm/長さ:65mm)より体積が大きいので蓄電容量も大きくなりますが、R50では昇圧時のロスを蓄電容量で補い実用的なランタイムを確保しているものと思われます。
XHP50はお初のLEDですし、単セル駆動という点でも興味深い製品なので、R50をじっくりと見ていきたいと思います。
■製品HP
・OLIGHT Official WEB site – olightworld.com
・OLIGHT R50 SEEKER – olightworld.com
・OLIGHT R50 SEEKER – amzon.co.jp
■関連記事
・Olight R50 Seeker (1xXHP 50, 1×26650) Rechargeable Review – CPF.
・OLIGHT SR52 UT INTIMIDATOR / CREE XP-L HI (CW)
・LUMINTOP SD75 / CREE XHP70 : PART 1/3
■参考
・CREE XHP50 LED – cree.com
尚、製品仕様は改良の為に予告なく変更されることが有り、製品ロットによっては本記事の内容と異なる場合があるので予めご了承ください。
INDEX
パッケージ
R50のパッケージは、ちょっと大きめの紙製化粧箱です。
最初開け方が分からなかったのですが、右サイドにマグネットが仕込まれていて横からガバッと開くようになっていました。(開けた感じが何か贈答品のように感じたのは私だけでしょうか?)
本体以外の付属品(AC/DCアダプター、USBケーブル、ランヤード、取扱説明書)は別の小箱に収められています。
マニュアルは多ヶ国語で書かれていますが日本語での記述はありません。
難しい内容では無いので英文でも理解出来ると思います。
サイズ
単セル、フロントサイドスイッチ仕様のライトとしては大きい部類に入る製品ですが、LEDにXHP50を搭載し、26650型電池を使用してUSB充電機構も備えている事を考えると、充分コンパクトな製品に仕上がっています。
ボディ
表面処理はHA-Ⅲ。
他のOLIGHT製品と同じくグリップ全体にスクエアグリッドが刻まれたOLIGHTらしいデザインのライトです。
最初に見た時は 『グリップ太っ!』 と思ったのですが、実際に手に持ってみるとスンナリ握れる太さでした。グリップ径は実測で約32mmですが、これはマグライトのCセルモデルとほぼ同じ太さで、女性でも充分握れる太さです。
ヘッド
リフは浅めのOPリフで広角・拡散系の配光になります。(※詳細後述)
今回は、ベゼルとスイッチ周りのステンレスがPVD技術で着色された Blue-PVD model を用意して頂きましたが、無着色の Non PVDモデルも選べます。
先端部のOリングは蓄光仕様(GITD)となっています。
画像では発光具合が控えめに見えますが、真っ暗な場所だとかなり目立ちます。
XHP50から出る熱を効率良く逃がすようにヘッドも大きめで、放熱フィンも全周に渡って刻まれています。
スイッチ面と反対側は、アンチロール(転がり防止)効果を高めるように大きくカットされています。
LED
XHP50も70、35と同じマルチダイ・タイプのLEDになります。
Cree社のSC5テクノロジーが投入されているのも他のXHPシリーズと同じですが、XHP70と比べて出力を抑えているので消費電力が小さくなっています。その分発熱も少ないのですが、Max:18wのLEDなのでそれなりに発熱はします。
ダイサイズが大きいので、集光するにはリフレクター径を大きく深くする必要がありますが、逆に言えば拡散系ライト製品とは相性の良いLEDであり、このR50のようにコンパクトなサイズにまとめられるメリットがあります。
スイッチ
スイッチブーツはシリコン系ゴム素材です。
外見は真っ黒ですが、実は半透明でインジケータ点灯時には赤く光って見えます。
スイッチトップは低めに抑えられていますが、僅かながらにストロークも存在し、疑似クリック感もあるので操作はしやすいです。
リア
充電ポート(micro-USB)はゴムキャップでカバーされます。
結構しっかりとポートに食い込み、カバー自体もビスで固定されているので、不意に開いたり脱落したりする事はまず無いと思われます。
ストラップ穴は長孔形状で、付属のランヤードだけでなく2~3mmぐらいのコードが通せそうです。
リアジョイントのネジ部は角ネジ加工されています。
micro-USBポートが組み込まれている関係からか、サイドスイッチ仕様の割りにボリューム感のあるリアキャップになっています。
電池
電池は【+】極から挿入します。
付属の電池は26650型・3.7v/4500mAh、型番が【ORB-266C45】となっています。
取扱説明書をよく見ると、電池の【-】極が充電時には中央が【-】で周囲が【+】となり、リアキャップもこの充電極性に合わせて電極が2ヶ所設けられています。
つまり、一般的な18650型充電池にスリーブを付けて点灯させることは可能と思われますが、そのまま充電しようとするとショートする可能性が高く大変危険です。電池が発火や爆発を起こさなくてもR50本体が故障する可能性が有るのでR50は付属の26650型充電池のみで運用することをお薦めします。
低電圧警告機能を備え、電池容量が少なくなるとスイッチが赤く点灯します。
充電
充電は付属のアダプターにUSプラグ・アタッチメントを取り付け、後は消灯状態のR50本体と付属のUSBケーブルで繋ぐだけです。
コンセント部分だけを各国のコンセント形状に合わせてアタッチメントが組み替えられるようになっています。(※付属するのはUSプラグ・アタッチメントのみです)
プラグアタッチメントを取り付けると 『カチッ』 と音がして簡易ロックが掛かり、簡単には抜けない構造になっています。
充電アダプターは、USBケーブルを接続しなくても通電時には青色LEDが点灯します。
充電アダプターをコンセントに挿しても青色LEDが点灯しない場合は、プラグ・アタッチメントの取り付け不良、もしくは故障している可能性が大きいのですぐに使用を中止してください。
充電アダプターとR50本体をUSBケーブルで繋ぐとR50側のポートが赤く光ります。
充電が完了するとポートが赤から緑に変わります。
付属の電源アダプターは、最大出力がDC5V・2.1Aとなっていますが、大電流での充電にも耐えられるようにUSBケーブルも太くなっています。なので0.5A出力や1.0A出力で使われる細いUSBケーブルは大電流に耐えられず発火する危険があるので必ず付属のUSBケーブルを使って下さい。
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これまではAC/DC変換・変圧部の内部回路は共通化できても国や地域によって色々なコンセント形状が有り、それに合わせて数種類のアダプターを製造する必要がありました。が、プラグ部分だけをアタッチメント化すれば管理コストも含めたコストの抑制が期待できるので、今後はこういう形態のアダプターが増えるんじゃないかなぁ・・・と(※個人の想像です)
モード
R50の通常モードは計4モードでストロボモードを備えています。
ON/OFFはスイッチを1回クリック、モードの変更は長押しで行います。
消灯時からスイッチを長押しすると必ず【Low】で点灯します。
(※後述するロックアウトモードとの関係アリ)
点灯状態に関係無くスイッチを3回連続でクリックすると【Strbo】モードで点灯します。
【Low】→【Med】→【Hi】→【Low】… のサイクルでモードが変わり、点灯中はダブルクリックで最大の【Turbo】に切り替わります。【Turbo】点灯時は1クリックで消灯、長押しで【Turbo】直前に使用していたモードに復帰します。
【Turbo】と【Hi】では熱によるLEDの破損を防止するためにリミッターが設定されていて【Turbo】は2分、【Hi】は12分経過すると自動で減光されます。
モードメモリを備え、再点灯時には前回消灯時のモードで点灯します。(※ターボ/ストロボモードを除く)
ロックアウト機能
R50には誤点灯防止の為のロックアウト機能が搭載されています。
消灯時にスイッチを2秒間長押しすると、短時間【Low】で点灯した後に消灯します。この時点でスイッチから指を離すとR50のスイッチ操作が無効化されロックアウト状態になります。
ロックアウトされた状態でスイッチを操作しようとするとインジケーターが赤く点灯し、ロックアウト状態であることが示されます。
ロックアウトを解除するには、再度2秒以上スイッチを長押しします。
長押しすると【Low】で点灯しますが、ロックアウト解除時にはそのままスイッチを押し続けると次のモードに移行します。(※【Low】で点灯した時点でロックアウトは解除されます)
照射
水平照射
演色比較
蛍光灯: 18W
OLIGHT S30R Baton II
OLIGHT R20 JAVEROT
OLIGHT R50 SEEKER
LUMINTOP IYP365
屋外照射
白昼(中央立木まで67m)
OLIGHT R50 SEEKER
R50 SEEKER – All mode
OLIGHT R20 JAVEROT
OLIGHT S30R-II BATON
R50はかなり広角でflood系(拡散系)の製品なのがお分かり頂けると思います。
拡散系でありながら中心光も存在し、Max:2500ルーメンの照射能力があるので中距離~遠距離も充分に照らせます。
このR50に搭載されたXHP50は色温度が低めのNeutral-White系でした。
個人的にCool-White系のLEDで演色性能に期待していましたが、ブツ撮りには向いていなくても屋外では見やすく疲れにくい光色かと思います。
まとめ
これまでレビューして来たXHP70を搭載したライトは比較的大型の製品が多く、XHP50を搭載した OLIGHT R50 SEEKER も同じXHPシリーズのLEDなので、実物を見るまでは大口径の大型ライトのイメージがありました。
P60互換のライトより僅かに大きいだけなのに『Max:2500ルーメン』というのが驚異的です。
既に屋外照射画像を撮影した今でも実感が湧かない・・・ってのが本音ですが、同クラスの照射画像と比較すると『あぁ、やっぱり2500ルーメンなんだ…』と認めざるを得ないというか、そんな軽いカルチャーショックを受けるぐらいコンパクトなサイズのライトです。
緑成分が多めのNW寄りの光色ですが【SEEKER=探求者】の名のとおり、条件の悪いアウトドアに限らずインドアに於いての長時間使用を考慮してこの光色なのかな?…って気がします。また、R50自体が拡散配光なのでNW系の光色でも 『全然OK!(゚∀゚)』 って気がします。
実用的なランタイムを実現するために特別仕様の26650型充電池を使うのも理解できますし、コンセントから充電可能な充電アダプターも導入時のイニシャルコストが抑えられて良いのですが、一般的な18650型充電池が使えるともっと便利だし導入しやすいかなぁ・・・と。
例えば、充電ポートの無いR50専用のリアキャップと、18650→26650のサイズ変換アダプター(バッテリースリーブ)をオプションで販売、もしくは例え価格がUPしても標準添付して貰えると嬉しいかなと・・・(*´ω`*)
18650も昇圧時に要求される大電流に対応出来るIMR Li-ion充電池が必須となりそうですが、既に手元にある資産(装備?)も活用できれば予備バッテリーの心配もせずにもっと購入しやすいかと思います。
それでも、やはりこのサイズで大出力が可能なのは R50 SEEKER の最大の魅力ですし、気軽に持ち出せるハイパワーライトなのは間違い無いです!(`・ω・´)
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Olightのオフィシャル・オンラインショップが新たにOPENするみたいで、TOPページでは既にカウントダウンが始まっています。
【New】OLIGHT STORE – http://www.new.olightstore.com/
お得なセールも随時開催されるようなのでチェックしておきたいですね!(゚∀゚)