前回の続き、LED LENSER P14 のヘッドプロテクター&レンズ保護フィルター製作記録の材料・工具編です。
ハンドライトという“道具”なのでボディに傷が付くのは仕方が無いのですが、P14の様にレンズが重要になるタイプの製品でレンズを剥き出しにしたまま使うのは、やっぱり納得が行かないと言うか…。(しかもレンズはガラス製ではなく、プラスチック製)
・本体には一切手を加えない
・通常使用時において問題の無い耐久性がある
・放熱を考慮する
・脱着が容易である
・プロテクターはクッション性があり、一体成型である
・保護フィルターは交換可能である
・P14以外の異なる径のLEDフラッシュライトでも応用可能な方法
・安価かつ一般入手できる物で、他の工作にも転用可能な物を使う
などの条件で設計・材料調達しました。
しかしながら、材料や工具を色々調べたり、素材同士の相性や複数の手法を試したりしたので公開するまでに2週間ほど掛かってしまいました・・・(´・ω・`)
中にはヘッドプロテクター&レンズ保護フィルターを製作するだけで購入するには高価で無駄になりそうな物(?)が含まれています。
プロテクター製作以外にカメラ関連や電気・電子関連の工作をするなら転用出来そうですが、使う予定がなければ、万が一の時にはメーカーに修理依頼した方が安上がりかもしれません。一応、購入時の価格も記しておくので参考にして下さい。
材料
熱可塑性エストラマー(製品名:おゆまる) 価格:¥105円
プロテクター本体の材料になります。
100均のダイソーで調達しました。(こんな商品も100均に有るとは…)
1片が 65×15×7(mm)の大きさなので、2片(1袋)必要です。ちなみに付属のファンシーな型は不要です。
1片づつ色が違いますが、最終的に塗装するので違っても良いかなと…。(1片はラメ入りw)
何度でもやり直しが出来るので納得出来る形になるまでトライして下さい。
(ちなみに私は3回目で無理矢理、自分を納得させました…(^^;)
空缶(アルミ缶 or スチール缶) 価格:¥0円~
【おゆまる】を成型する時の型パーツ(外枠)に使います。
直径:53mmの空き缶が1個必要です。
このサイズは容量が160mlや250mlの飲料容器に多いのですが、種類・銘柄はお好みに応じてどうぞ…。
アルミ缶は加工が容易なのですが、その分強度が犠牲になります。
一方、スチール缶は切断加工が面倒ですが、強度が確保できるのでプロテクターが綺麗に成形できます。
手持ちの工具と相談してどちらを使うか選択して下さい。(今回はスチール缶を使います)
※殆どのアルミ缶の底面は、強度を確保する為に内部側に盛り上がっているはずです。
アルミ缶を使う際は底面をフラットにする必要があります。
ガラス容器(直径:47mm以下) 価格:¥?円
【おゆまる】を成型する際の型枠(抜型)に使います。
耐熱性が必要なので、PET素材の容器は使えません。
食塩やコショー、ふりかけ等のガラス容器は直径が44~46mmの物が多いので、家の台所やスーパーの調味料コーナーで探して下さい。
“赤穂の甘塩”の容器(写真)のように、瓶に模様が入っている容器がありますが、その場合でも容器最大部の直径がP14のヘッド径である47mmを超えない事が重要です。また容器のトップからボトムまで直径が同じ円柱体でないと使えません。
※容器底部の面取り(アール部分)は問題ありません。
“赤穂の甘塩”は最大径が約46mm(HPには最少径の45mmで記載)で、今回使うS&B食品のクッキングコショーも約46mm(実測値)です。
アルミ板(t=0.3mm) 価格:¥105円
外枠・抜型の底板に使用します。
100均のダイソーで調達しました。
φ52.5mm とφ47mm の円盤が各1枚必要なので、それだけのパーツが取れる大きさがあればOKです。
裏面に粘着材が塗ってあると、熱で接着材が溶け出してエストラマーと混じる可能性が有るので、できれば接着材が無い方が都合が良いのですが、近所のダイソーには置いて有りませんでした。割高になると思いますが、ホムセンなら粘着材なしの板が手に入るかもしれません。今回は予算の関係で(笑)100均商品のアルミ板を使います。
薄いアルミ板と言えど、それなりに加工が面倒なので薄手のバルサ材にアルミテープを貼って代用しようと試みたのですが、強度不足と耐熱性に問題があり、結局上手くいきませんでした。
丸座金(直径40mm) 価格:¥230円
抜型のパーツに1枚必要です。
バルサ材とアルミテープを加工して造る事も出来ますが、強度に難が有るので、市販の座金を使った方が成型する際に綺麗な円形が出せます。
ステンレス製は厚さが2mmか3mm、スチール製は2.3mm、3.2mm、4.5mmが多いと思います。
※このパーツの厚みが、そのままプロテクター先端の厚みになります。
材質はステンレス、スチールのどちらでも構いません。今回はステンレス製の2mmを2枚使用しました。
防水両面テープ 価格:¥598円
型枠パーツの接合に使います。
G17や木工用ボンドは耐水・耐熱性が無いので使えません。
100均の両面テープを試した結果、それなりに使えました。
少量あれば良いのですが、画像のブチルシーラー系両面テープはかなり強力なので、余っても色々な用途に使えると思います。
耐熱アルミテープ 価格:¥298円
型枠の製作・調整・補強に使います。
これも少量あれば良いのですが、ある程度の厚みと耐熱性が必要なので今回はキッチンアルミテープを使用します。
ホムセンやドラッグストアで買えるはずです。(10mなどの長巻きの物は割高になります)
ガムテープ(布タイプ) 価格:¥?円
抜型の直径を調整するのに使用します。
紙ベースのクラフトタイプではなく、布製タイプの物が必要です。
輪ゴム 価格:¥0円
成形時の型枠の固定と抜型底部のライナーに使用します。
4本ほど用意して下さい。
プラ板(ブリスターパック)価格:¥0円
レンズ保護フィルターに使います。
今回はパトリオ4の空きパッケージを利用しました。
φ46mmの円形が1枚採れれば良いのですが、最低でも片面で3枚、両面で6枚は採れる筈です。
今回使ったブリスターは、残念ながら微妙に着色されています。(重ねると一目で判ります)
ライトの明るさに拘るなら無色透明の空きパッケージや100均商品の工作用プラ板(0.2mm)を使って下さい。
マスキングテープ 価格:¥200円
抜型(ガラス瓶)の保護(マスキング)に使います。
近所のホムセンで購入しました。
マスキングテープは耐熱・耐水性が殆ど無いので、予め抜型の下地として巻いておくと型枠からプロテクターを外す時に簡単に外せます。また、アルミテープや両面テープを直接ガラス瓶に貼ると後の処理が結構大変です。
10mmや15mmなどの細幅なテープでは使い勝手が悪いので、幅広(写真は50mm幅)の物が理想です。
工具・器具
円カッター(製品名:NTカッター/iC-1500P)価格:¥900円
アルミ板、プラ板などを円形にカットするのに使用します。
普通のカッターで綺麗な円形にフィルターや型パーツをカット出来る技術をお持ちの方には不要です。
他にコレを使う予定が無い方は、筆記用具をそのままセット出来るコンパスにデザインナイフをセットして使うか、普通のカッターかハサミを使って丸くカットして下さい。
レンズや照明関連の小物(?)を自作する場合には必ず必要になる“丸く切り抜く作業”が、これ1個で随分楽になりました。
『もっと早く使えば良かった』と、初めて使った時に実感した道具の1つです…(^^;
アルミ容器(製品名:ホイルコンテナ・5個入り)価格:298円
【おゆまる】と型枠を煮ながら成形するのに使用します。
100均にも『グラタン皿』として、深めのアルミ製の皿が売られているので、そちらを使った方が安上がりです。
大丈夫と判っていても、流石に化学薬品の塊や接着材の付着した材料を調理用の鍋で煮るには抵抗があるので用意しました。
1個あれば良いので、冷凍食品の中身を美味しく頂いた後で容器を再利用してもOKです。(ちゃんと洗わないとプロテクターに残りの“出汁”が染み渡ります…w)
余りは非常時の食器や調理器具の代わりに使えるので非常持出袋にでも…。
割り箸/竹串(各1) 価格:0円
【おゆまる】と型枠を煮ながら成形するのに使用します。
エストラマーを加熱した直後は熱く、火傷する危険があるので注意して下さい。
空き缶加工道具 価格:?円
型枠に使用する物がアルミ缶かスチール缶かによって必要になる工具は異なります。
金切鋏だけでも加工できますが、力の入れ加減で切断面が変形し易いので切断を慎重に行う必要があります。
今回は金鋸と金切鋏を使って切断し、切断面は100均のヤスリを使って整形加工しました。
アルミ缶の加工については、こちらのサイトが参考になります。
其の他工具
ノギス(必須)、油性マジック、油性ボールペンなど工作に使う道具一式。
デザインナイフは最後のバリ取りや細かい修正をする際に有ると便利です。
工具以外の出費総額は¥3,000円ほどですが、材料の【おゆまる】さえ買い足せば、10個でも20個でもプロテクターが自作できます。
他にも大口径のレッドレンザーやレンズ剥き出しのLEDフラッシュライトを多数所有しているなら揃えても損は無い…かなぁ?
工具まで購入するとなるとそれなりの金額になるので、やっぱり修理に出した方が…(^^;
塗装編◆
・水性スプレー塗料・黒(艶タイプ)価格:¥?円
・油性スプレー塗料・黒(メタリック)価格:¥210円
・液体ゴム(ユタカメイク BE-1・黒)価格:¥1,100円
仕上げの塗装を行わないなら塗料は不要です。
ただし、塗装しないとプロテクターを装着した際、“微妙にオサレなLED LENSER P14”になります。(JK仕様w)
水性スプレーは余り物で、油性スプレーはダイソーで購入、液体ゴムは近所のホムセンで調達しました。
同じメーカーの製品でチューブタイプの液体ゴムは店頭に有ったのですが、筆で均一に塗るのは難しいと思われたので、“ドブ漬け”できる様に“瓶タイプ”(容器は樹脂)を取り寄せてもらいました。(瓶口の直径は約55mm)
この液体ゴムは塗る時はコテコテでダマになる程なのですが、主成分の半分は“水”なので乾燥すると笑える程(1/6~1/7ぐらい?)に体積が減ります。(水性なので粘度は水で調整可)
別の製作方法で液体ゴムを使ってみましたが、とにかく乾燥時の体積の減り方が尋常じゃないので見事に失敗しました・・・(´Д` )
塗装の2度手間を省く為に今回は【黒】を用意したのですが、透明や赤や青、黄色とかも有るようなのでオサレなレッドレンザーにカスタムするなら別の色を試してみるのも一興かと。
しかし、液体ゴムはプロテクターを1個造るだけなら少々高く付く買い物です。
プロテクターを塗装するだけなら間違い無く余る量なので、電線の被服やゴムコーティングしたい部分などに使おうかと考えています。(ちなみに液体ゴム単体では、耐水・耐熱などの耐久性は全く期待できない代物です)
※液体ゴムは平滑な金属やプラスチックに塗布した場合は乾燥後でも簡単に剥がせますが、布や衣類に付着すると除去できません。
アルミ針金 価格:¥105円
100均で購入できます。
塗装と乾燥の際、プロテクターを支持するのに使います。
写真は2mm径ですが、手で簡単に曲げられ程の柔らかさですが、その割に強度も備えているので塗装の際にはいつも使っています。今回は小物撮影の支柱代わりに使った余り物を使います。(笑)
乾燥用容器 価格:¥0円
成型したプロテクターの塗装・乾燥に使います。
写真はCD-RやDVD-Rの50枚パックに使われているケーキケースの容器です。
流れ落ちる余分な塗料を受けるだけなので、新聞紙でも敷いて乾燥するまで手で持っていれば用意する必要は有りませんが、塗布→乾燥→調整を最低2回は行い、乾燥するまで1~2時間はかかるので、容器を使った方が楽に行えます。
先の“ホイルコンテナ”でも良いのですが、それなりの深さが必要なので縁を“かさ上げ”する等の工夫が必要です。
使用時に5mm程度、底面に水を張っておくと後の掃除が楽になり、乾燥後に再度ケーキケースの容器として使えます。
次は 【LED LENSER P14 補完計画(3):準備編】 を予定しています。