今回ご紹介する Odepro TM30 を最初にamazonで見つけた時 『お、リアサイドスイッチだ!(゚∀゚)』 って感じで胸がキュンとなりました♪
・Olight M20-X
・Fenix UC45 / 50
・Thrunite T30S / T11S
・LUMINTOP TD15S
etc…
リアサイドスイッチ搭載製品について外部記憶装置を漁ってみたら懐かしいモデルが幾つかヒットしました。
例によって(?)リアサイドスイッチ搭載製品については「興味は有りつつも…」という感じで、まだ経験値が低かった当時は、あまり使いやすそうな印象を受けなかったのでスルーした記憶があります。
そんなこんなで、いつの間にかリアサイドスイッチ搭載の新製品も発売されなくなり、リアスイッチのみの製品をニギニギしながらリアサイドスイッチの操作性を確かめていた事すらTM30を見るまで忘れていました…(^^;
フロントサイドスイッチ全盛(?)の中にあって珍しいなぁ…と思っていたところに、今回、Odepro様から『TM30のレビューをしてみませんか?』というお話を戴きました。
昔に比べて(…って、ほんの数年前ですが)少しだけ自分の経験値も上がったとは思うのですが、リアサイドスイッチ搭載ライトの使い勝手は如何に?・・・って事で、当時は気付かなかった利点や存在意義(大袈裟かな?)などなど、詳しくレビューしたいと思います。
■製品HP
・Odepro Official HP
・Odepro Official HP (日本語)
・Odepro TM30 – odepro.com
・Odepro TM30 – amazon.co.jp
・Outdoor Lighting World – amazon.co.jp
パッケージ
厚手のクラフト紙で造られた頑丈なパッケージです。
TM30本体以外に予備Oリング×2、ハンドストラップ、18650電池、充電器が同梱されています。
仕様/サイズ
※画像は Odepro HP より転載
リアサイドにスイッチがある関係でテール部分が大きく(長く)なっていますが、ヘッドサイズは1.25インチ、グリップ径は1インチとなっているので、レールマウントブラケットなど市販のオプションパーツも取付可能です。
TM30のサイズの関係なのか、見た目は重そうに見ますが、実際に装備重量を量ってみたらL2Tと大差ありませんでした。
ボディ
全体の質感はとても良くて、余計な装飾を廃したタクティカル系ライトらしいデザインです。
リアキャップのサイズ(長さ)に合わせてヘッド部分のボリュームを大きくしたかと思われますが、デザイン的にバランスが取れています。
ステンレス製のクリップは、コンバットリング(アルミ製)で固定される仕組みなので自由にポジションが決められます。※クリップ、リングの両パーツとも脱着可能です。
サイドスイッチの位置に合わせてクリップの位置を決めておけば、握った時にサイドスイッチを探す事なくスムーズに操作できます。
ヘッド/LED
OPリフにXM-L2の組み合わせですが、XM-L2のランクは【U4】となっています。
【U2】ランクとの効率差は僅かだとは思いますが、発熱やランタイム面でのアドバンテージが期待できそうです、
控えめなストライク形状のベゼルですが、個人的にはプレーン形状にして欲しかったなと…(^^;
昔は波形形状のベゼルについて 「消し忘れ防止になって良いかも~♪(゚∀゚)」 なんて思ってたのですが、屋内はともかく屋外でベゼルダウンにして地面にライトを置く事は希…というか、自分は絶対にしないので、消し忘れ云々ってのも説得力が無いかなと…。
それに、例え一時的にでも暗闇の中でライトを完全に手放す事が、いかにリスクの高い行為であるかが判って来たので、ホルスターなりポケットなりに、スムーズにライトを突っ込めるプレーン形状のベゼルが自分の用途には合っているかなと…。
ちなみにベゼルパーツはガッチリと接着されているので簡単には外せません。
ヘッドユニットは取り外しできるので、接点クリーニングなどのメンテナンスは楽にできます。
基板中央の【+】接点はフラットなので、18650電池はボタントップタイプのみに対応します。
スイッチ
テールボトムのメインスイッチ、リアサイドのサブスイッチの2つのスイッチでTM30をコントロールします。
メインスイッチは機械式のフォワードクリックで間欠点灯が可能。
メインスイッチのトップは周囲のガード(立ち上がり)よりも少しだけ出っ張っているのでテールスタンドは不可。
廻りのガードが無ければ更に操作性が向上したと思うのですが、ストラップホールの為だけにガードを設けたのでしょうか…?
コンバットリングにストラップやランヤードを取り付ける穴があるのでリアには不要だと思うのですが、メインスイッチ廻りの造作については、なんとなくメーカーの迷いが感じられます。
サイドスイッチの素材はシリコン系ゴム素材。
内部はタクトタイプのスイッチで、一般的なフロントサイドスイッチと同じ様な感触です。スイッチトップも突出していないので邪魔になるような事もありません。
ストロークは深くないのですがスイッチを完全に押し込んだ時に疑似クリック感があるので操作感も掴みやすいです。
ただ、やはり逆手でラフに握ったりするとリアサイドスイッチの位置をロストしやすく、モード変更時にサイドスイッチを目視で確認するか、周囲を指でなぞって位置を特定する必要があります。
なので、点灯開始直後にモード変更を行う使い方ではストレスを感じるかもしれませんし、逆に任意のモードのまま使い続けるのであればリアサイドスイッチでも支障は無いと思います。
フロントサイドスイッチでもモード変更をするには、もう片方の手でサイドスイッチを操作するか、逆手から順手に持ち変えてサイドスイッチを操作する必要があるので、必ずしもリアサイドが不利…とは言えないかと思います。
長時間時間連続して使う中でモード変更するのであればフロントサイドの方が良さげですが、これも逆手から順手に持ち変えるという動作が大前提となります。
テール
ネジ部先端のみが露出しているので、リアを緩めて誤点灯防止のロックアウトが可能です。
ネジ加工の精度も高くスムーズにリアが脱着できますし、ガタつきなどもありません。
リア内部もロックリングで固定されているので一応分解が可能ですが、サイドスイッチパーツが内蔵されているので無闇に分解はしない方が得策かと思います。
電池/充電
amazon扱いのTM30には18650と充電器が付属。
18650は容量が3000mAhとなっていますが、ほぼ空の状態からフル充電しても大体それぐらいの充電量でした。
サイズ的には若干全長が長く、実測で約70mmの長さがあるので、4スロットを備えた市販の充電器によってはセットできない可能性があります。
保護回路の有無については不明ですが、全長や【+】側の形状、外装フィルム下の配線からプロテクト回路付きの18650かと思われます。
簡易な充電器ですが1A(1000mA)充電が可能です。
インジケーターも備えているので使い勝手も悪くなく、長時間充電しても特に問題はありませんでした。
モード
通常モードが【Turbo】→【Hi】→【Med】→【Low】→【Turbo】…の4モード。
点灯中にサイドスイッチを押すと上記のサイクルでモードが変わり、モードメモリを備えているので消灯時のモードで再点灯します。(※SOS・Strobeを除く)
点灯中にサイドを長押しすると【SOS】、【SOS】でサイドを押すと直前のモードに復帰します。
消灯時にサイドを押すと、押している間だけ【Strobe】で点灯します。
【Turbo】以外の通常モードではPWMによるフリッカーが発生するのが少々残念です。
【Turbo】モードだけで使うとか、完全に静止した状態で1点だけを照らす用途ならばフリッカーが出ても全く問題無いのですが、そういうケースは希だと思うので、時期モデルではフリッカーの解消に期待したいです。
Odepro TM30 / CREE XM-L2 U4 (CW) – YouTube
照射
水平照射
屋外照射
白昼(立木まで67m)
Odepro TM30
Odepro TM30 : All mode
P60 XP-L Hi V3 (CW) 1A
P60 XM-L T6 (CW) 1A
P60 XM-L T6 (NW) 3C
P60 XM-L T6 (WW) 3300K
P60 XP-G2 S3 (CW) 1A
P60 XP-G2 S2 (NW) 4000K
カタログ値では、Turbo:560Lm となっていますが、この値はかなり控えめな数値で、実際の光束値(ルーメン値)は560Lmより大きく、私見では700~800Lmぐらいは出ているのではと…。
光色は色温度が高めの純白で6500K以上かと思われますが、青被りするほどではないので違和感は感じません。ただ、雪道を照らしたりすると反射光が眩しく感じられるかもしれません。
配光は現在では旧世代となったXM-Lとよく似ていて、中心光が太めで拡散寄りの配光になっていますが、純白のCWと出力のお陰で、1.25インチヘッドにXM-L2の組み合わせでも遠くまで照らせる印象を受けました。
まとめ
以前は、複数のメーカーからもリアサイドスイッチ仕様の製品が販売されていましたが、最近はめっきり見かけなくなり、2スイッチを備えた製品となると、EDC/タクティカルのカテゴリーに関係なく、フロントサイドとリアスイッチ仕様の製品が主流になった感があります。
点灯開始は逆手で握ってリアスイッチをオン、点灯後は順手に持ち変えてフロント側のスイッチを操作してモード変更を行う…と、ライトを長時間使用するならば、リアサイドよりもフロントサイドの方が理に適ったスイッチ配置と言えます。
逆にテールボトムとリアサイドにスイッチを配したTM30のような製品は、逆手持ちでの使用が前提であり、逆手持ちのまま長時間使用する…って事は、ハナから想定しておらず、故に自ずとタクティカル指数も高くなり【振り切った製品】になりがちなのかなぁ…と。
人差し指や親指でスムーズにリアサイドスイッチを操作するとなると、クリップの位置などを目安にして、サイドスイッチの位置に合わせて逆手で握る必要があるのですが、うまくハマればモード変更の為に握り直す必要が無くなります。
モード変更の必要が無ければ記憶されたモード(明るさ)で間欠点灯も常時点灯も可能なので、短時間で点灯と消灯を繰り返す用途では、リアサイドスイッチであることが思ったよりも気にならなかったですし、特に不便だとも感じませんでした。
それなのにTM30と同じスイッチ形態の製品が少なくなったのは、順手持ちして親指でフロントサイドを操作する方が使いやすい…って事なのかなと…(゚ー゚*)。oO
でも、色々なスタイルの製品がイッパイ有った方が楽しいですよね?
+++
私事ではありますが、照タイム撮影時に携行するライトは、なぜかソラフォのL2Tである事が多く、撮影現場で三脚位置の確認などに使っています。L2Tには、同じくソラフォ純正/XM-L T6/3モードバルブをセットしてあるのですが、短時間で点灯/消灯を繰り返すとモードが変わってしまい『イラッ』っとする事が多々あります。
その点、このTM30は点灯/消灯を繰り返してもモードが変わらないので、今後、照タイム撮影時に携行することが多くなりそうです。
TM30で気になったのは、やはり【Turbo】以外でのフリッカーの発生で、特に芝生や草むらを歩く時に反射光がチラついて非常に見づらく感じます。基本的に自分は【Turbo】での使用がメインになるとは思いますが、フリッカーがなければ更に実用性もアップすると思います。
出力に関しては公称:560ルーメンよりも明らかに明るく、XM-L2らしい配光で広範囲の照射が可能なのですが、XP-L Hi を搭載して徹底的にタクティカルに振り切るのも面白いですし、TM30の新しいアピールポイントにもなるんじゃないかなと…。
後は価格的にもう少し頑張って欲しいトコロですが、今となってはリアサイドスイッチ搭載製品は稀少ですし、本体の質感も良く18650と充電器が付属している事を考えると、桁外れに割高とも言えないかと思います。
ただ、既に18650も充電器も所有しているユーザー向けにTM30単体での販売があれば、もっと購入しやすくなると思います。
いずれにしろ、この手のタクティカル指数高めの製品が好きな方には、リアサイドスイッチを備えたTM30を一度使ってみて欲しいと思います。