久しぶりのパラコードネタです。
今回は、カメラ用として市販されている 1/4インチ ⇔ 3/8インチ(もしくは 3/8 ⇔ 5/8)のネジ変換アダプターを使った、ストラップやランヤードに取り付けるコードエンド(チャーム)の作り方をご紹介します。
※仮称として 3/8システム(Three-eighth system)と表記
【カメラ用ネジ変換アダプター】と聞くと、カメラに馴染みの無い方には特別なパーツのように思えるかもしれませんが、amazon や 楽天などの国内通販で簡単に購入できます。
『作り方』などと言う大層なモノではなく、単にカメラ用のネジ変換アダプターを“利用”しているだけです。
他にパラコードが必要ですが、熱で溶かせる化学繊維素材の紐であればなんでもOKですし、既成品のみで構成するならば各パーツは無加工のまま使えます。
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INDEX
コードエンドとは?
上の関連記事の中でもご紹介していますが、コードエンドとはストラップやランヤードの終端に取り付けるパーツの総称です。
自分はクリップ型式やベルストッパーなどの樹脂製パーツを使う事が多いのですが、パラコードでダイアモンド・ノットをこさえて終端とする…などの方法がポピュラーかと思います。
ただ、既成品のコードエンドパーツはサイズ的に小型の物が多く、ナイフやマルチツール、大型ライトに取り付けるとバランスがイマイチで、ダイアモンド・ノットや箱編みの終端を更に個性的に出来れば…と常々思っておりました。
紫外線硬化レジンや木の丸棒を使ってチャームを自作してみたりもしたのですが、どうもしっくり来なくて…(´・ω・`)
更に用途や目的に合わせて簡単に交換できれば…と、色々と考えて今回の3/8システムに辿り着きました。
基本構成
① UNC1/4メス ⇒ UNC3/8オス 変換ネジ(1/4 Female to 3/8 Male conversion screw)
この変換ネジは中のネジが 1/4インチ(UNC 1/4-20)規格のメスネジで、外側が 3/8インチ(UNC 3/8-16)規格のオスネジになっています。
主な用途は、3/8インチのネジ穴を1/4インチのネジ穴に変換、もしくは 1/4インチのネジを3/8インチにするのに使います。更に大型の 3/8 ⇒ 5/8 変換ネジも市販されていますが外径も大きくなるので使用場面が限られて来ます。
素材は真鍮製の物が多く、価格についてはバラつきがありますが、ハクバやエツミなどのブランド品でなければ1個:100円程度です。(Aliexpress などの海外通販を利用すると十数円程度)
② UNC3/8・UNC1/4 変換アダプター(1/4 Female with 3/8 Female adapter)
この変換アダプターは中空構造で、片側が1/4インチ、もう一方が 3/8インチのメスネジになっています。『スピゴット』と呼称される場合もありますが、厳密にはスピゴット(ダボ変換)とは異なるモノです。
1/4インチ、または3/8インチのオスネジに取り付けて『オス ⇒ メス』の変換を行う用途に使用しますが、一緒に写っているコマ形状のパーツと併用する事が多いです。(コマ形のパーツは片側のネジを切り落とせばネジ穴隠しとして使えますが、そうした専用パーツも販売されています)
スピゴット(ダボ変換)と形は似ていますが、片側に3/8インチ規格の雌ネジ加工がなされていないと3/8システムでは使えないので注意してください。(中空パイプ構造なのでビーズ的にも使用可能)
素材はアルミ製の物が多いのですが、金色のアダプターは真鍮製で片側が3/8インチの雌ネジ、もう片側が1/4インチの雄ネジになっています。
基本的に①と②のパーツで1組となりますが、銀色の円筒形のパーツがコードエンドのチャーム部分となります。
金属製のオリジナルチャームを自作するとなるとそれなりの工具が必要となりますが UNC 3/8-16 (もしくは W3/8)という規格サイズでネジ穴加工(タップ加工)が可能ならば素材やサイズに制限はありません。
作成・使用方法
必要な道具は、ハサミ、ライター、ピンセットで、使い方(作り方)自体はすごく簡単です。
変換ネジ部分にコードを通したらコードが抜けないように端部を溶かして変形させます。
抜け止めの成形は、ライターなどで炙ってコードを溶かしますが、冷えて固まる前にピンセット等で成形してやると楽にできます。
あとは変換アダプターの3/8インチ側にネジ込んで完成です♪(簡単でしょ?)
変換ネジの頭にはドライバーで締め込みができるように溝が刻まれているのでピンセットの先などを使ってしっかりと固定してください。
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抜け止めの成形時に、変換ネジの外周よりも太く成形してしまうと組み立てが不可となります。
逆に内径よりも細いと簡単にスッポ抜けてしまいコードエンドの体を成さないので注意してください。また加熱・成形する際には火傷に注意してください。
7芯のパラコードの場合、変換ネジよりも5~10mm程度出した位置でカット、そのまま溶融成形させると丁度良い塩梅になると思います。
使用するコードの太さや素材、特性の違いで試行錯誤する必要はあると思いますが、本番前に端材で試して感覚を掴んでおくと良いでしょう。ただ、最悪カットし過ぎて抜け止め成形が出来なくなったとしても、編み目をズラしてやれば良いだけなので気楽にチャレンジしてください。
応用編
変換ネジの有効穴径は約8mmなので2本のパラコードも楽に通ります。
芯を抜いた状態のパラコードであれば、なんとか4本を通せるので箱編みの終端にも使えます。
ランヤードやストラップの先端に変換ネジを取付けて、チャームパーツ側にも3/8インチの雌ネジが切ってあれば、チャーム部分だけの交換・取替えも簡単にできます。(※3/8システムの由来)
チャームの自作
加工が可能な素材であれば金属に拘る必要はなくて、木や樹脂、鹿角などでイチから自作できますし、市販のマスコットや大型ビーズ、ペットボトルの蓋などを加工しても面白いと思います。(※既成品の加工については、後日改めてレポします)
アルミや真鍮などの金属で自作する場合には雌ネジのネジ切り加工(タップ加工)が必須となるので W3/8インチやW1/4インチのタップと、下穴を開ける為のドリルが必要になります。(※タップのサイズに応じて下穴径が決まっています)
UNC規格(ユニファイ)とW規格(ウィット)のネジは互換性がありますが、実際には双方のネジ山角度が異なっており、ユニファイが60度、ウィットが55度となっています。(※1/2サイズはネジピッチ自体が異なるので互換性無し)
ネジ切り加工を行うタップもUNC規格のモノを用意するのが理想ですが、W規格のタップと比較するとナゼか価格が跳ね上がるので、今回のように精度を求めない用途であればW規格のタップでも充分使えます。
100均で買った直径:15mm の木の丸棒を適当な長さにカットして、変換ネジが納まるように下穴(この場合はφ8.5mm)を深さ10mm程度まで開ける。(※貫通させる必要無し)
後はネジ込む(組み立てる)だけですが、簡単に抜けてしまう場合は接着剤で固定してください。
樹脂製の場合も手順は同じです。
樹脂や木製だとネジの強度が足りず、仕方無く接着…となるのですが、接着するとチャームの組み替えが不可となるので、現在、W3/8インチのリベットナット(POPナットやエビナット、ブラインドナットなどとも呼ばれる)と組み合わせて試作しています。
W3/8インチのリベットナットになるとソレなりにサイズが大きく(上記画像の寸法単位はインチ)外径が13mm近くあるのでサイズ的な制限は有りますが、上手く行けば“なんでもチャーム化”が実現するので頑張ってみます。
特に金属製のビーズやチャームを使用するとなると大好きなフラッシュライトの塗膜を傷めてしまうので、ソフトレジンなど金属以外の素材のチャームを3/8システム化できるように鋭意試作中です。
今回ご紹介したパーツ以外にもカメラ用の1/4インチ⇔3/8″インチ変換パーツは沢山ありますし、可倒式のストラップリングなどを組み合わせれば更に制作のバリエーションが広がると思います。
How to use 1/4″ & 3/8″ camera screws with Paracode knot. 3/8 System – YouTube
まとめ
古今東西、終端部への拘り…と申しましょうか、日本にも昔から【根付】や【飾り房】といった文化があったワケで『ピロピロしているモノをまとめ隊』(語彙力…)と思うのは人類共通の願望なのではないでしょうか…?
それは冗談としてもパラコード編みのバリエーションや表現力が拡がれば楽しいかなと思いまして…(^^;
チャームというのは【飾り】なワケで、パラコードのみで表現するのを是とする方々にとっては不要な要素かもしれません。
ただ、今回の3/8システムはコードエンドとしての“機能”を有するので単なる装飾パーツではありませんし、例え装飾品で有ったとしても、元来、アクセサリーというものは自己表現?、自己主張?、自己満足?…の世界であって良いモノで、それこそ『拘り』に溢れていてこそだとも思います。
機能や使い勝手を阻害してしまっては本末転倒になりますが、チャームを木製ハンドルの素材や柄と合わせたり、模様やロゴ、名前をプリントしたりと、自身の“拘り”を具現化する手段のひとつとして考えて頂ければと思います。
既存のパーツを組み合わせるだけであれば製作費も大して掛かりませんし、誰にでも簡単かつ安価に製作可能で、工夫次第で面白い物も出来ると思うので是非試してみてください。