あの日から5年、個人的にはあっと言う間に5年経ってしまった…という感じです。
毎年3月11日だけは、防災・減災関連の記事を投稿するようにしていますが、今回は災害時に最も重要となるアイテムの一つである【電池】について語ってみたいと思います。
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自分の手持ちの電池を調べてみると・・・
電池電圧が1.5Vの一般的な乾電池
- 単一乾電池(Dセル)
- 単二乾電池(Cセル)
- 単三乾電池(AAセル)
- 単四乾電池(AAAセル)
一般家庭にも有る電池となると、1.5Vの乾電池(アルカリ乾電池もしくはマンガン乾電池)だと思いますが、国内で販売される電池駆動の機器は、その殆どがこの乾電池の電圧=1.5Vを基準にして製造・販売されています。
複数本の電池を直列にして使う場合の電圧も1.5の倍数となっていて、後述する1.2VのNi-MH充電池がかなり普及して来ている現在でもこの仕様が引き継がれています。それだけ《乾電池》というモノが重要な存在である証しですし、今後もそれは変わらない気がします。
1.5Vのアルカリ乾電池は、大体どの製品も使用期限が約5年となっています。
保管状態にも左右されますが、3.11から5年の歳月が流れたので、2011年に購入したアルカリ乾電池は今年で使用期限を迎えることになります。
使用期限が過ぎたら即使用不可になるワケではありませんが、時間が経てば経つほど電池の性能(容量)が劣化し、液漏れしやすくなったりして機器の故障の原因にもなるので備蓄電池の使用期限や充電池の放置期間について意識する必要があります。
100均などで販売されているアルカリ乾電池は、品質がイマイチなので備蓄している間に液漏れしたり、メーカー品と比べて使用期限が短かったりするので防災・減災用の備蓄電池とするのはやや不安があります。
イザという時に役に立たないのでは意味が無いので、できるだけメーカー品の乾電池を備蓄する事をお薦めします。
電池電圧が1.2VのNi-MH充電池
- 単三形充電池(AAセル)
- 単四形充電池(AAAセル)
ココ何年かの間に普及してきたNi-MH(ニッケル金属水素化物電池)充電池ですが、この系列の電池電圧は1.2Vが基準電圧となっています。
1.2VのNi-MH充電池だと容量の80%を保持する期間が約1年(※エネループのカタログ値)とされています。
しかし、この約80%という数字も使用回数(充放電回数)や経年劣化による性能低下で変化するので鵜呑みにするのは禁物です。
また、普及が進んでいるとは言え【充電して繰り返し使う電池】というモノに馴染みの無い高齢者には不思議に写るようで 『昔ながらの乾電池が良い』 という方も多いようです。
『災害に強いか?』 と、問われれば・・・
災害時でも充電可能な環境が整うとは限らないですし、製品本来の電池性能を保持できているとも限らないので、防災・減災用のメインの電池とするには個人的には抵抗があります。
3.0Vや3.7Vのリチウム系電池
- CR123A(3.0V)
- 16340(LiPO4:3.0V)
- 16340(ICR/IMR:3.7V)
- 18650(ICR/IMR:3.7V)
リチウム系電池は、ボタン形(コイン形)電池を除くと一般的に普及しているとは言い難く、一般的な家庭用電子機器では使えないので災害に強い電池とは言えないと思います。
それでも最近は、3.7Vの18650 Li-ion充電池をモバイルバッテリーの電源として使える ThruNite U1 のような充放電器も徐々に増えているので、モバイル機器の非常用電源としてポピュラーな存在になるかもしれません。
また、一次電池(使い捨て電池)であるCR123Aは製造から10年間の使用期限を持つモノが多く、備蓄用の電池に適しているとされています。上の画像にはありませんが、単三形電池と同じサイズの3.0Vリチウム一次電池も販売されています。
ただ、3.0V リチウム一次電池の使用期限は魅力なのですが、対応機器が限られており、自分はフラッシュライトでの用途しか思い付きません。(一部のカメラでも使えますが防災用品では無いので…)
CR123Aは特殊なサイズなので誤使用することは有りませんが、単三形の3.0Vリチウム電池や14500 3.7V Li-ion充電池は単三乾電池とほぼ同じサイズなので誤使用の可能性が大きくなります。
非常時にも絶対に自分が電池交換できるならば良いのですが、特殊な仕様の電池は備蓄電池と別に保管するなどしないと過電圧で機器を破壊してしまうので要注意です。
最近はCR123Aや、もっと小型のCR2電池もコンビニで入手可能になって来ていますが、高価なのでアルカリ乾電池のように気軽に…ってワケにもいきません。逆に言えば普及率や価格などデメリット(?)が多いだけに災害時には最後まで売れ残る可能性が高く、それだけ入手が容易…とも言えますが、アルカリ乾電池ほどの数量を在庫していないので確実に手に入るとも断言できません。
ただ、電池電圧が3.0V(初期電圧は3.2V)なので、あまりお勧めは出来ませんが、Vfが3.0~3.3Vの白色LEDならばCR123AにLEDを直結するだけで点灯させる事が可能です。(手元に白色LEDがなければ意味が無いですが…)
モバイルバッテリー
このeneloop モバイルバッテリーは5000mAhの容量となっていますが、製品仕様から推測すると中身は先の18650 3.7V Li-ion充電池を2本並列にして充放電回路と昇圧回路にUSBポートを付加したものと思われます。
中身がLi-ion充電池なのでメリットやデメリットも同じ様な感じですし、充電池である以上【自身の充電】の呪縛からは逃れられません。また、ケーブル類がないと【ただの文鎮】にしかならないので残量や付属品の保管にも留意する必要があります。
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こうやって書き出してみると、結構な種類の電池を持っています。
電池の用途と言えば、私的な趣味からして照明用途が真っ先に頭に浮かぶのですが、ラジオや通信機器、情報端末など電池は欠かせない存在です。
『災害時に強い電池はどれか?』 なんて話題を目に(耳に)しますが、各家庭や個人の環境によって必要となる(重要となる)電池の種類は変わるので 『この電池さえあればOK!』 とするのは不可能だと思います。
例えば、単三形電池を使用する家電や防災製品を所持しているなら【単三形の乾電池や充電池】が重要になってきますし、実際に所有する機器に合わせて電池の備蓄をしているハズです。
そこで、防災機器の電池の種類は統一したほうが良い…的な事も言われますが、イザと云う時に必要なサイズの電池が入手出来ないと、最悪手持ちの機器が全滅って事にも成りかねないので、1種類の電池に依存するのは良くないという意見もあります。
可搬性も考慮した小型の機器は電池サイズにも制約が出てきますが、消費電力が大きいと単三や単四の電池では頻繁に電池交換が必要となり、備蓄本数もそれだけ増やす必要が出てきます。
消費電力が大きかったり長期に渡って駆動させる必要がある機器は、逆に単一や単二電池が向いている場合もあり、電池サイズの変換アダプターを併用するなどして柔軟に対応できるようにしておく事も重要かと思います。
自分も備蓄の電池は単三形乾電池をメインにしていますが、【単三】から【単一】への変換アダプターを2個、防災グッズに含めています。【単三】から【単二】への変換は、双方の電池の長さはほぼ同じで、違うのは電池の径だけなので絶縁素材を単三電池に巻きつけて何とか使えるようにできます。
例え自分が変換アダプターを使わなくても他の誰かが使えるかもしれませんし、大した重さでは無いので非常持出袋に入れてあります。(非常時こそ互助の精神が大事ですし…)
すべての事態を想定して備えるのは不可能ですが、最低限の準備だけはしておくべきだと思います。
もし無駄になったとしてもソレが一番なのですから…。