平成28年 戦術的強光手電筒整備計画 【P60互換・赤外線(IR)LED光源製作編】

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P60 Bulb IR-LED 850nm / 940nm RED-LED 

赤外線LEDを使ったP60互換バルブを自作しようと思い立ってから幾星霜…

気付けばチャレンジ開始から4年ほど経ってしまい、いつの間にか赤外線LEDの価格も随分と下がって5Wタイプ(4チップ)の赤外線LEDを使ったP60互換バルブもノーブランド品ならば数ドル出せば購入できる時代になっていました…(´Д` )

こうなると自作などせずともKDなどから完成品を購入したほうが遙かに安上がりなのですが、降圧(定電圧)ICチップや赤外線LED、バルブシェルを既に揃えてしまっており今更後戻りも出来ず…(笑)

マグライトの多灯改造用に作った、降圧ICのMP2359を使ったφ22mmの降圧自作基板も問題無く動いているので、これをそのままφ17mmにサイズダウンして赤外線LEDのP60ドロップ・インを完成させることにしました。

過去にAMS1117 を使った回路では、チップの熱暴走によりLEDが点滅するという現象に見舞われたのですが、MP2359ではブレッドボード上でテストを繰り返しても不具合が出ず、これならイケると本番に望んだのですが・・・またしても(ーー;)

自作基板

IR-LED 850nm / 940nm - φ17mm基板 回路図配線パターンはφ22mm版とほぼ同じですがφ17mmの基板のサイズに合わせて少しだけアレンジしています。

φ17mm 自作基板φ17mm 自作基板
φ17mm 自作基板
今回は2種類の赤外線波長( 850nm と 940nm )と赤色LED用(660nm)の計3枚をまとめて造ります。
3枚とも目標の出力電圧が少しずつ違うのですが、2ヶ所(R1とR2)の抵抗値の組み合わせで出力電圧を調整するだけなので配線パターンは全て同じです。

φ17mm 自作基板φ17mm 自作基板
一目でバルブの仕様が判別できるようにライトの接点となる側の表記は変えてあります。

φ17mm 自作基板φ17mm 自作基板
φ17mm 自作基板φ17mm 自作基板
パターンのエッジ部分が綺麗に出ていませんが、最狭小部(0.4mm)も潰れていないので良しとします。

出力電圧

赤外線LEDのVfが 850nm・940nm とも 1.4v – 2.0v と幅があるので、幾つに設定しようか悩んだのですが850nmは安全側に振って目標出力電圧を1.8vとし、940nmのほうは850nmより0.1v上げて目標出力電圧を1.9vとします。

抵抗値計算
普通の赤色LEDは2.4v – 2.5vぐらいに収まればOKとして、例によってR1とR2の抵抗値を Microsoft EXCEL で計算。

で・・・、R1とR2の各抵抗値は以下のようにしました。

・IR-LED 850nm R1=47kΩ / R2=39kΩ → 1.8v
・IR-LED 940nm R1=47kΩ / R2=33kΩ → 2.0v
・Red-LED 660nm R1=47kΩ / R2=24kΩ → 2.4v

手持ちの抵抗の組み合わせでは1.9vを作り出せなかったので940nmは2.0v出力としました。

計測・試験点灯

MP2359相変わらずハンダ付けが残念な感じですが…(´Д` )
(そろそろ手ハンダは限界だなぁ…)

φ17mm 自作基板φ17mm 自作基板φ17mm 自作基板

取り敢えず形になったので無負荷状態で電圧と電流を計測。(※電池電圧=3.7v)

・IR-LED 850nm
IR-LED 850nm用 電圧計測IR-LED 850nm用 電流計測

・IR-LED 940nm
IR-LED 940nm用 電圧計測IR-LED 940nm用 電流計測

・Red-LED 660nm
Red-LED 660nm用 電圧計測Red-LED 660nm用 電流計測
IR 850nm の仮点灯は問題無くパス。

IR-LED 850nm用 仮点灯IR-LED 850nm用 仮点灯
本来なら全ての基板を仮点灯してチェックすべきなのですが、テスターの計測値がほぼ想定通りだったし安定していたので940nmとRed-LED用の基板は 『まぁイイか♪(*´∇`*)』 ってことで省略。(これがイケなかった…orz)

完成(仮)

IR-LED/Red-LED : 自作P60互換ドロップインIR-LED/Red-LED : 自作P60互換ドロップイン
IR-LED/Red-LED : 自作P60互換ドロップイン
IR-LED : 自作P60互換ドロップインRed-LED : 自作P60互換ドロップイン
基板とLEDをバルブシェルに取り付けて完成!\(^o^)/

ココまで長かったなぁ・・・(遠い目)

何だかしみじみと感慨に耽ってしまいましたが、これで目玉焼LED用のP60互換バルブシェルの在庫がゼロになってしまい少し寂しい…

IR-LED/Red-LED : 自作P60互換ドロップイン
完成した3つのバルブを SOLARFORCE と UltraFire のシェルに組み込んでスイッチ・オン!!

可視光線を発する850nm と Red-LED は目視でチェックして問題無かったのですがデジカメを通して見たら 940nmがナンか変・・・(ーー;)

IR-LED/Red-LED : 自作P60互換ドロップイン静止画だと判らないのですが、動画では940nmのみが激しく点滅しているのが確認できます。

またかよ・・・

原因究明

『あー、ハイハイ…また熱暴走でしょ?』

…と、940nmのバルブをバラしてMP2359の通電時の温度を確認してみたら、ほんのりと暖かいものの異常というほど高温に成ってはおらず問題無し・・・。

『ん?』

じゃあ、940nmはVfを2.0vと高くしたのがマズかったのだろう…と、Vfを1.8vに設定した850nmの基板に940nmのLEDを組み合わせたら…

『Vfが低くても点滅するぅ…(´Д` ) 』
 
 
 
考え中…
 
 
 
もう一度、MP2359のデータシートに記載された参考回路図と、自作した基板の回路を突き合わせてチェック。

MP2359 参考回路図MP2359 参考回路図
※MP2359データシートから抜粋

参考回路図中に【1N4148】の記述があるのは最初から気付いていましたが
・入力電圧が5V未満ならD3を追加できるョ♪
・出力電圧が5V未満ならD2を追加できるョ♪
・D2もD3も必須じゃないョ♪
※全て意訳

この【D2もD3も必須じゃないョ♪】という一文を信じてブレッドボード上で組んだテスト回路も1N4148を省略し、特に不具合が出なかったので本番でも省略してしまいました。

参考回路図中に記載のある 1N4148 は高速スイッチング・ダイオードと呼ばれるモノですがぁ、もしかして入出力電圧が5v未満の場合は周波数を安定化するのにD2・D3が有用なのかなと・・・

え?…入力電圧が5V以上なら1N4148を省略しても点滅しないだろって?

SOLARFORCE L2-D18それが不思議(?)な事に L2-D18 シェルを使って3.7Vの18650を2本直列にして点灯させてみたのですが、7.4v以上の入力電圧でも点滅しまくりだったので、やはり 940nm LEDの駆動周波数がシビアなんじゃないかなと…。

MP2359 + 1N4148
長時間点滅を繰り返しても光量(赤外線量)が一定で、スイッチONと同時に点滅が始まるのでICの熱暴走ではなさそうです。そうなると後は電圧・電流関係が怪しいのですが、降圧時の周波数がLEDの駆動周波数と相性が悪いのかも?…と考え、参考回路にある通り 1N4148 を追加する事にしました。

が、しかぁし!・・・

基板を起こす際にハナっから1N4148など考慮に入れて無いので、どうやって後付け実装するか?

MP2359 + 1N4148リードタイプの1N4148をジャンパさせる事しか思い付かなかったのでこうなりました…w
(あ、これは動作確認の為のテスト実装で最終的には短くカットしますよ…)

MP2359 + 1N4148それでも 1N4148 (回路図上のD3)を追加実装したらLEDの点滅がピタリと止まりました。

参考回路図ではD2・D3の例が載っていますが、自作基板のパターンでは2ヶ所に1N4148を実装する余裕が無いので、どちらか1ヶ所に実装することになります。

D2/D3 : 1N4148 - 電圧値D2 : 1N4148 - 電流値D3 : 1N4148 - 電流値
D2とD3の片方ずつに実装して出力電圧と電流値を計測してみましたが、どちらも出力電圧に大きな変化は無く、D2だと電流値が大きく下がってしまったので1N4148はD3の位置に実装することにしました。

・赤外線LED と MP2359 と 1N4148 に関する試行錯誤

 

MP2359 + 1N4148汚いハンダが余計に汚くなってしまいましたが、これでひとまず赤外線LED用の自作基板が完成です♪\(^o^)/
(※ココまで辿り着くまでに、最初にこの基板を組み立ててから3ヶ月経過しましたw)

それにしても同じ赤外線LEDで、850nm と 940nmの波長の違いでLEDの駆動周波数に差異が出るものなのか・・・?その辺は赤外線LEDのデータシートなどを漁ってじっくりと調べてみたいと思います。
 
■参考:秋月電子 OptoSupply社 赤外線LED データシート
・IR-850nm:http://akizukidenshi.com/download/ds/optosupply/OSI3XNE3E1E.pdf
・IR-940nm:http://akizukidenshi.com/download/ds/optosupply/OSI5XNE3E1E.pdf

点灯

取り敢えず赤外線LEDバルブの卓上プチ照タイム・・・

赤外線カメラは940nmのLEDが装備されていますが、その関係(相性)なのか・・・850nm-LEDでは充分な明るさ(?)が得られず、点灯していてもいなくても変わり無いという結果に…(850nmは出力が弱いのかな?)

本命である不可視光の940nm-LEDは、赤外線カメラに搭載された赤外線LEDより強力で、通常モードでは蛍光灯の照明下でもカメラを通すと薄紫の光が確認できるほどですし、暗視モードでは自動露出が作動するほどの光線量が得られているのでOKとします。新しく高効率の降圧ICを入手、もしくは5W以上の出力の赤外線LEDを入手するまではコレで逝くことになりそうです。

ちなみに660nmの赤色LED(3W)の静止画はこんな感じです。(踊り子さんにはお手を…)
3W 赤色LED・660nm3W 赤色LED・660nm3W 赤色LED・660nm
赤色LEDバルブの使い道は・・・紫外線硬化レジンを扱う時の暗室照明ってことでどうでしょう?(知らんがなw)

まとめ

940nm赤外線LEDの点滅は、使用した赤外線LED共通のパルス特性(仕様)や個体差に起因するものかもしれません。(もしかしたらMP2359の個体差かも?)

まだ完全な原因究明には至っていませんが、これからは電源の周波数にも注意を払う必要があると、ひとつ勉強になりました。

撮影に使った赤外線(IR)カメラの性能がイマイチなので、赤外線ライトの有用性が伝わらないかもしれませんが、今回使った赤外線LEDの赤外線量でも高感度カメラで撮影すると対象が白飛びするぐらいの明るさ(?)で撮影できることが判りました♪

自作したP60バルブは主にセキュリティ関係で使う予定ですが、もっと強力な赤外線で遠距離&広範囲を照らすとなると、10ワットクラスのIR-LEDを使って赤外線投光器とか・・・(*´ω`*)
 
 

カテゴリー: DIY, SOLARFORCE, フラッシュライト, 電子回路   タグ: , , , , , , , ,   この投稿のパーマリンク

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